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「道標」

  • 舞台監督O
  • 2016年9月9日
  • 読了時間: 2分

ここまで辿り着くのに、様々なことがあった。

当然、どのユニットも辛夷祭という一大イベントに際して、多くの困難や衝突を経験してきたことだろう。決して他と比べるわけではないが、G組はその中でも特に紆余曲折が激しかったように思う。私には、「そうした様々な試練を乗り越えてここまで来た」という実感はなく、むしろ「ずいぶんと回り道をしてきたなあ」というなんとも微妙な、平面的な後味が尾を引いている。そうしたある意味現実的な(?)実情とは別次元で、日を追う毎に「君がいた時間僕のいく時間」という物語がいとおしくなっていった。それは、論理的には説明できないが、「愛着」とはまた違う物である気がする。

主人公の秋沢の人生にも、回り道があった。我々には想像もできないような、大きな回り道が。その中で、彼が貫いたものとはなんだろうか。複雑にかみ合う運命の歯車の中でも決して衰えない、大切な人への、どこまでも一途で真っ直ぐな想い。そのなんと美しいことか。なんと強いことか。

我々G組がここまで来られたのは、そんな秋沢の姿に繰り返し触れてきたからではないか。私には、この作品がG組の道標に思える。だからこそ、大切に演じたいと思う。

辛夷祭の三日間、皆さんに美しく強い何かをお見せできることを、そして第一体育館が我々G組にとっての満願成就の場となることを切に願う。


 
 
 

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2016 東京学芸大学附属高校 61期 3年G組

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